ターンの練習ってただ曲がるです。
まっすぐ飛んでいて、右に行くとか左に行くとかただそれだけ

普通に考えてなんでこんなことをするのに1-2時間かけて練習しなくちゃならないんだろうと思うのではないでしょうか

私もそう思いました

車とかオートバイの場合、ターンといったらハンドルを左右に曲げるだけなのですが(セパハンのバイクの場合体も使う)三次元の動きをする航空機の場合、話が変わってきます。

例えば、左に操縦桿を切るとエルロンの操縦席に対する左が上がり右が下がり、バンクをはじめます。
左バンクをすると確かに左に曲がります。

ここまでは良いのですが、3次元運動をしている航空機の場合、これだけだと危険なのです。
訓練では、山に囲まれた永久氷河の上空で山脈を基準にして行いました

  

前にも述べたように操縦しているときは常に、水平なポイントを考慮して飛行機の状態を確認します、もちろんセスナには水平儀も付いているのですが、計器はワンテンポ遅れるため、基本はVFR(有視界飛行)で外部から目に見える状況を判断材料にします。

   水平儀

計器を頼りすぎるとダメなので、訓練中は計器に目隠しを貼られることもあります。

さて、話が飛びました、エルロンを左に倒してターンを始めるとどうゆう事が起こるかと言うと、左に曲がるだけではなく高度が落ちてきます、

なのでスロットルを少し開け、エレベータを引き高度を調整します。

目は常に目標に対して高度が下がらないように見張ります。
このターンを左右行います。


訓練の最初には、このことをあえて伏せられて、単純にエルロンだけでターンするよう指示されました。
そしてどうなったかと言うと、高度を保たなかったので当然ながらターンすることで高度が落ちていくのですが、不思議と気付かなかったのです。
普通に曲がっているように感じていました。

教官に高度が落ちてると言われてあわてエレベータを引きましたが、ここで教官はI have cotrol と宣言し飛行機の建て直しをしてくれました。

何が起こったかと言うと、スパイラルダウンと呼ばれる現象でした。
このスパイラルダウンが酷くなると教官でも立て直すことは出来ずキリモミ状態になって墜落してしまうとのこと
この状態で、さらに操縦桿を引くことでスパイラルダウンの円を小さくしてしまい最悪の事態に陥るそうです

ターンの時は、外部の水平目標をしっかりと見て、高度が下がらないよう確認しながら曲がる必要があるという話しでした。

ターンの練習

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