セスナ172は通常ガソリンで飛びます。(ちなみにジェット機はジェット燃料”灯油に近い燃料”)
通常と断わったのは、中にはインターナショナルフライトスクールのC-GAME機のようにディーゼルエンジンの飛行機も存在するからです。
ちなみにセスナというのは軽飛行機の代名詞になっていますが、Cessna社で作られた飛行機がセスナです。
間違えないように、ガソリンは青く着色されています。(ジェット燃料の色は見なかったんで知らん)
燃料の点検(モデルS君)
離陸する前にする検査の中に、燃料の量と色確認とタンクの水抜きが含まれています。
燃料はセスナ172の場合、翼の上に蓋がついていてここから燃料を入れます。
写真はちょうど燃料の量を確認している作業で、ここにアクリル製のストロー状になった燃料計測器を入れて量を確認します。
セスナ172の場合、学校で教わったのは7ガロンで1時間飛べるということを目安にしているということです。
(1ガロン=約4リッター)
教官に燃料の量を聞かれたときは○○hourと、何時間飛べるかを答えることになっています。
飛び立つために必要な燃料の量は、訓練時間+1時間の燃料が入っていることが重要です。
よくセスナの燃費は?と聞かれる事がありますが、飛行機の場合時間で計算します。
セスナの場合、1時間7ガロンを消費すると考えるだけでOKでしたが、戦闘機の場合クルーズ燃費と戦闘時の燃費は大きく異なります。
交戦中はあっという間に燃料が無くなっていくそうです(空線したことが無いので聞いた話)
セスナの場合時速200キロくらいの対地スピードが出ますので1時間200キロ進んだとして、7ガロン消費するわけですね
約28リッターだから200÷28として計算すると7.1428...
車のように考えるとリッター7キロでしょうか
ただ飛び方やスピードによって大きく変わるはずなので、あまり役に立つ数値ではないと思います。
燃料が足りない場合
空港の燃料サービスを呼びます
ちょっとすると下の写真のような給油トラックが来て燃料を入れてくれます。
火災を起こさないようにマフラーが前に付いています。
バウンダリーベイ空港のガソリン屋さんが来てこんなふうにガソリンを入れてくれます。
燃料は翼内インテグラルタンクが左右にあるため、左右同じくらいにする必要があります。
満タンに入れてもかまわないのですが、満タンだと機体が重くなるので量は教官の指示に従います。
余談ですが軍用機の場合、翼内インテグラルタンクを採用していたのは日本軍機くらいで、防弾の無い翼内インテグラルタンクが被弾してすぐに火を噴いてしまいました、日本軍機が他国の軍用機と比べて航続距離が何倍も長いのはエンジンの低燃費性能が優れていたわけではなくこの翼内タンクのおかげですが、それと引き換えに一発でも翼に当たったら火を噴いたわけです。
穴だらけのグラマンF6Fヘルキャット、これだけ撃たれてもちゃんと生還出来るのがうらやましい。
米軍機は翼内タンクを持たず、防弾板と防弾タンクのおかげで穴だらけにされても生還できたので、日本の飛行機搭乗員は圧倒的に不利だったわけです。
日本軍機は強かったイメージがありますが米軍側が報告している数値として1:19のキルレシオだったという記録が残っています。つまり1機の米軍機を落すのに19機の日本軍機が殺られた訳です(涙)
さて、話はセスナにもどって燃料の量を確認したら次に、燃料の不純物の検査です。
飛び立つ前に、ガソリンタンクと燃料パイプにに水が混入していないか、または間違えた燃料を入れていないか確かめます
これには専用のカップを使います
セスナの翼の下に左右2箇所、ガソリン抜き用のニップルがあって、そこにカップのニードルを挿すとガソリンが出てきます。
結露した水が入っている場合、ここから出すことが出来るわけです、またガソリンが青いものが入っているか確認しないと、間違ってジェット燃料が入っていたら大変なことになります。
それが終わったらボンネット部分のふたを開けて、ガソリンパイプ内の燃料確認とオイルの確認をします。
燃料系統の確認はこんな感じで終了します。